2020年4月29日水曜日

NEX-5を天体撮影ができるように改造してみた

外出自粛で撮影にもいけないので、自宅で楽しめる撮影が何かないか考えたところ、屋上があるので天体撮影ができるじゃないかと思い道具一式を揃えて挑戦してました。
道具と言ってもD810aとか60Daとか買う余裕はないので自作です。
一般人が安く天体撮影用のカメラを用意するとなるとKiss X5や60Dを安く手に入れて改造専門の会社に2万円程度で依頼するのでしょうが、それすらも高いと感じたので格安で手に入れたNEX-5を自分で改造することにしてみました。
調べればたくさん出てくるのですが、NEX-5のセンサーはセンサー前にローパスフィルタとIRカットフィルターがセットになったガラス板が取り付けられています。
これを取り除いてしまえば、IRつまり赤外線をカットしなくなるので星雲の撮影が可能になるという話です。
分解方法はいろんな人が書いているので飛ばすとして、どんどんネジを外していきます。
本当は自分でも撮影しながら分解した方が構造とか分かってパーツの取り付け漏れがなくなるので、慎重派の人はスマホで逐一撮影しながら進めましょう。

ネジを外していくと1回目の壁がここで、見えるネジだけではなく金具で押さえられていて外れない部分もあるので、無理に力を入れずに外し忘れがないかや、どこが引っかかっているか確認しつつ丁寧に進めましょう。
バックカバーを外すと基盤が出てくるので、フレキケーブルを外しておきます。
黒いバーはロック機構なので壊さないように均等に力を入れて持ち上げておきましょう。
基盤を取り除くと放熱用の銅板が見えます。
この裏側に目的のセンサーがあります。
この左側の黒いプラスチックも左下にある金属にロックされているので、割らないよう焦らずに外しましょう。
無事センサーに到達しました。
センサー部分だけ取り出すと青色のガラス板が乗っているのがわかると思います。
コレをドライヤーで温めてプラスチックとガラスの間にデザインナイフを差し込んでゆっくりと両面テープを切り剥がしていきます。
取り除くとこんな感じになります。
元に戻すことを考えている人は傷つけないように保管しておきましょう。
このまま組みなおしても赤外線写真は撮れるのですが、ローパスフィルター分の厚みがなくなるので、無限遠が出なくなるようです。
無限遠が出ないと星雲撮影は難しいので、対策として同等のガラス板を用意して挟んでおきます。
挟んでおきますと言っても取り除いたフィルターとおなじサイズのガラス板なんてないので、適当なレンズ保護フィルターをガラスカッターで切り出すことにします。
用意したのは犠牲となるフィルター、先の細いラジオペンチ(100均)、ダイヤモンドヤスリ(100均)の3つです。
フィルターによっては切れ込みがあるので回したり、隙間から押さえている金具を取り除けばガラス板が手に入ったりするんですけどね。
レンズに取り付ける方から削っていきます。
こんな感じで2箇所削っていきましょう。
ヤスリをガラスに当てないように注意しつつガリガリ削っていきます。
ガラスに当たるか当たらないかの所で、ラジオペンチを使って残った山の部分を捻って取り除きます。
すると、押さえていた金具がきれいに取れるはずです。
無事ガラス板をGet!
次に用意するのはガラスカッターとステンレス定規です。
この二つを使ってガラス板を切っていきます。
測ったりするのは面倒なので、カメラから取り除いたローパスフィルターを紙に押し付けて、そのまま線を引いただけです。
大きめになってしまうので、気持ち内側を切るようなイメージで行えば概ね同じ大きさになるはずです。
切り出して取り付けたのがこちらです。
時間や腕に自信がある人は淵にサンダーをかけたり墨塗りしておくと良いのだと思われます。
この時、センサーのホコリはしっかりと取り除いておきましょう。
組み立てた後に残っていると再度分解する必要が出てきます。

この後は分解したのと逆の手順で戻していくのですが、おそらくここが一番大変です。
分解しつつ撮った写真を確認しながら戻していかないとネジや部品が確実に余ります。
そして、私は軽量化に成功しました(ドヤッ!)

組み戻し中に1箇所失敗してラッチと呼ばれるロック機構を破壊してしまいました。
外れただけならまだしも、きれいに真っ二つです。
一番長いロック機構とモデル的に10年前の物でプラスチックの劣化ということもあって脆くなっていたようです。
これがロックだけの機構なら良いのですが、フレキケーブルを押さえて通電させる役割も持っているようです。
ダメ元で不意に外れないようにテープで固定して組み立ててみたところ、バッテリーを入れた段階でエラーを起こしてシャッターが降りてしまい使えない状態になってしまいました。

要は、端子にフレキケーブルが密着すれば良いわけなので、荒技をかましておきました。
薄いプラスチックを適当な大きさに切ってフレキケーブルと端子の隙間に押し込んでいます。
するとバッチリ認識して使えるようになりました。
今回はその辺に落ちていたドコモのクリアファイルを切って使っています。
薄くて適当な硬さのあるものであれば対処できそうですね。
ラッチを破壊して困っている人は、とりあえずクリアファイルを挟んでおけば良いのではないでしょうか?

組み直すとこんな感じです。
IRカットフィルターがなくなっているので透明になっています。
センサーにガラスを取り付ける時の清掃が甘かったのか絞り込むとホコリが盛大に映り込むので、余ったパーツを組み込むときにでも清掃をしておきましょう。
あと、ガラスのカットも雑だったので、もう少し良いフィルターを用意して再挑戦したいところです。
絞り込まなければさほど影響は出ないので、HELIOS44-2いわゆるグルグルボケの楽しめるオールドレンズでも取り付けておきましょう。
F2.8くらいまでなら影響はなさそうです。
後は晴れた日の夜に星雲撮影を楽しみたいと思います。

今回の作業時間は合計で5時間程度でした。
自宅に引き篭もるように言われているので、その辺に転がっているNEX-5シリーズを解体して遊んでみてはいかがでしょうか。
夜も普段より暗いので星空撮影も楽だと思われます。

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